底なし沼にはまってしまった瞬間
こんにちは。
瑞江美容室サロンカドルです。
「ニューヨークドライカットは底なし沼ですよ」
これは
オーナーより1年早くNYDCを学び始めた
美容師さんの言葉です。
オーナーは現在も進行形で
ドライカットの勉強を続けており
毎月広尾の『ワークス』という
美容室での勉強会にも通っているのですが
そこで知り合った美容師さんが
おっしゃっていた言葉です。
その美容師さんは
銀座で
カットはドライカット1本で
勝負していらっしゃるのですが
一か月先までほぼ毎日
予約で埋まっていらっしゃるそうです。
まさにカットする腕一本でお客様の心を
つかんでいらっしゃるんですね。
NYDCを続けていくとぶつかる壁
このままこんな途方もないカットを
続けていっていいのだろうか?
時間ばかりかかるし・・・
利益率は悪いし・・・
学び始めて1年半
NYDCの魅力にとりつかれながらも
時間ばかりかかるこのカットに
お店の経営のことを考えると
悩みも多かったオーナーですが
先日
ついに底なし沼に
はまってしまう出来事がありました。
そのきっかけとなったお客様は
カドル開店以来の
長いお付き合いのお客様。
縮毛矯正歴の長いお客様なのですが
ショートスタイルの方で
襟足の部分のくせがとくに厄介で
毎回苦労していました。
ACCトリートメントとストパン縮毛矯正を
するようになってからは
ずいぶんおさまりがよくなってきたのですが
どうしても襟足の部分だけがいつも気になってしまう。
会心の仕上がりにならない。
根元の生え癖は縮毛矯正でも
どうにもならないのです。
襟足の短い部分なので
生えている方向に逆らって矯正しても
綺麗な仕上がりにはならないのです。
そのため今までは長さを長めに残して
矯正とカットをすることで何とかしのいでいた
という感じです。
だから、どうしても襟足から後頭部のフォルムが
パーフェクトな美しいフォルムに出来ずにいました。
ショートカットスタイルの
一番の要の部分なのに・・・。
もっと早くドライカットを
おすすめしておけばよかったのですが
このお客様はお肌がとても弱く
コームやブラシが地肌にあたるのも
痛く感じやすい方で
ブローのテンションもあまり強くかけられない
ドライヤーの温風もお顔にあたると
痛みを感じてしまう・・・
そんな事情を抱えた方でしたので
ドライカットの技法上
あまりおすすめできずにいたのです。
これまでも、縮毛矯正の施術の際は
負担が最小ですむように
考えて施術させていただいてきました。
その上カットでも負担をおかけしてしまうことに
なってしまうかもしれない。
ずっと長い間躊躇してしまっていました。
でも、私は
NYDCのことを深く知れば知るほど
このお客様のような
頑固な生え癖で困っている髪の毛にこそ
試してみるべきじゃないか
・・・そんな思いでずっと見てました。
少なくとも
提案してみるだけでもしてみるべきじゃないか
と。
ドライカットの技法をきちんと説明して
- 水スプレーを使うこと
- いちいちドライヤーを使って
- ブローで髪の毛のくせをとること
- 毛先にはアイロンを入れること
お客様にとって苦手な作業が続くけど
カットの仕上がりが今までより
よくなるはずであること
を、きちんと説明させていただいた上で
最終判断はお客様にゆだねればいいんじゃないかな、と。
とても美意識の高いおしゃれな
お客様だからこそ試していただきたい。
パーフェクトなショートスタイルを
提供できるなら提供して差し上げたい。
強くそう思いました。
そして先日
お客さまも心配して、不安そうではありましたが
お任せいただくことになりました。
避けられることは極力避けて
慎重にドライカットしていきます。
仕上がった状態を見て
感動すらしました。
なんて綺麗な襟足から後頭部にかけての
フォルム!!!
後姿が完璧に近く美しい。
もともとスタイルが良くて
首もほっそりとしていて
いつもおしゃれな方でしたが
毎回お見送りで後姿を拝見していて
後頭部のフォルムがいつもあと一歩で
歯がゆい思いでお見送りしていたんです。
お客様がお帰りになってから
オーナーと二人で興奮しちゃいました。
NYDCの底なし沼にはまる瞬間って
こういうことを言うんだろうね
と。
この瞬間を味わってしまった
美容師さんは
もっと深く追求したくなるんだろうな
と、素人の私でさえ思いました。
それほどの衝撃でした。
5年間苦労してきた
頑固な生え癖を持った髪の毛が
まるでその場所におさまるのが
当然かのように
自然に、美しくおさまっているのです。
百聞は一見に如かず
まさにこの瞬間のためにある言葉ですね。
かねてから
NYDCのベテランの美容師さんや講師の方からは
生え癖もおさまる、と聞いてはいたのですが
半信半疑でした。
とくに講師の方の言葉は
生徒集めのための誘い文句なんじゃないの?
と疑った見方もしていました。
(すみません。私は疑い深いんです。)
でも、目の前で見てしまった今
NYDCの追求はやめられないものに
なってしまいました。
オーナーが
NYDCの底なし沼にはまってしまった
そんな瞬間でした。
NYDCを学び始めたものの
途中でやめてしまう美容師さんも
少なくない、と聞きます。
でも、この時のような
瞬間を経験してしまった美容師さんは
どんどん深みにはまっていくんだろうな
と
しみじみと思いました。
私は美容師ではありません。
でも
美容の世界は
奥が深くて、追求してもしきれない
ゴールのない世界だと感じます。
それはNYDCに限りません。
カット・カラー・縮毛矯正・パーマ
全ての分野で追求を続けている
美容師さんたちがたくさんいらっしゃいます。
でも、だからこそ
面白いのかもしれない
と
5年間、そばで見ていて学びました。
髪の毛が伸びたからカットする
白髪が伸びてきたから染める
美容師の本領はそこじゃないはずです。
女性のヘアスタイルは美しくあるべきです。
いえ、美容師さんは
女性を美しくする義務があると思います。
容姿を美しくするから
美容師なんじゃないでしょうか。
サロンカドルは
今よりもっと美しいヘアスタイルを
求める方のための
美容室でありたいと思います。
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