春は始まりの季節ですね
我が家の近くにある桜並木の桜もほぼ満開に咲きました。
明日、あさって、と地元の小学校・中学校の
入学式があるようです。
ここ数年の桜は早く咲いて、入学シーズンには
散っていることが多かったので
入学式を、満開の桜のもとで迎えられる方はラッキーですね。
春という季節は
人間社会だけでなく
外の植物たちもいっせいに芽吹き出し
成長を始める、勢いのある季節です。
新入学、新学期、新社会人
何かと新しい季節の始まりがクローズアップされて
世の中すべてが勢いづいていく
そんなイメージがあります。
でも、そんな期待に満ちた思いで
春を迎えている人ばかりではありません。
春という季節は
不思議なパワーを秘めていて
ときには、そのパワーに負けそうな時が
あると思います。
実は、2月・3月と
立て続けに3人のお客様から
子育てについてのお悩み相談を
受ける機会がありました。
私には、今年の7月に25歳になる
息子がおりますが、この息子を育てるにあたり
いろんなことがありました。
高校中退、引きこもり、アトピー性皮膚炎の悪化、
眼の病気、大学進学挫折
言葉で表すとこんなものですが
出口の見えないつらい日々を
過ごした時期もありました。
そんな大変だった日々も過ぎてしまえば
遠い記憶で、今は息子も目標に向けて
アルバイトをしながら勉強しています。
25歳といえば、同級生は皆社会人になって
大人の仲間入りをしている子がほとんどです。
随分と遅れて人生を歩んでいる息子ですが
今は、それでいいと思っています。
最初、息子が高校をやめたいと言い出したとき
何とか続けさせようと必死でした。
あの頃の私は、まわりと同じ道を歩くのが
一番安心で、それが息子にとって一番いい
と思っていました。
でも、今振り返ってみると
そんな小さな価値観で子育てをしていた
自分が未熟だったな、と痛感します。
まわりのみんなが普通にできることが
出来なくても、それは間違ってはいない。
生きていく上で一番大事なのはそんなことじゃない。
息子の子育てを通じて、そんなことを学びました。
相談を受けたお母さんたちも
みな、お子さんが学校に行きたがらない
行ってない、いじめられてるのかもしれない
進路が決まらないで引きこもってる
などの理由でお悩みでした。
まわりを見渡すと
不安になりますよね。
私もかつてはそうでしたから
よくわかります。
学校、行ってほしいですよね。
前を向いて進んでほしいですよね。
でも、ほんとうにつらいときは
立ち止まって、休憩してもいいと思います。
つらい場所から、逃げてもいいと思います。
お子さんが本当につらいときは
お家が、安心していられる場所であることが
何よりも大事だと思います。
親としては、急かしたくなります。
どうして、学校行かないの?
どうして、パソコンばかりやってるの?
どうして、頑張れないの?
なんの問題もなく、楽しく学校生活を送り
成長して、就職して、大人の仲間入を果たす。
自分の子供がそうであればいいのでしょうが
ときにそうならないこともあるわけで・・・。
息子がいくつかの山を越えて
前を向いて、少しずつ歩き始めたときに
言ったことがあります。
「親っていうのは、そこにいてくれれば
それだけでいいんだよ。
助けてほしいときは、助けてって言うから。
だから、あれこれ言わずに黙っててほしい」
と。
まわりと同じように歩けないでいる自分に
一番戸惑って傷ついているのは
私たち親ではなくお子さん自身です。
まわりから、どんどん遅れているのは
自分自身が一番わかっているはずなんです。
このままじゃいけない、って葛藤してるんです。
誰よりも追い詰められて、苦しんでいるんです。
そんなときに、お家でも
やんややんや言われたら
余計に追い込まれてしまいますよね。
そんなことがわからず
私の子育ては
随分遠回りになってしまいました。
子供を育てる上で
親としてしなければならない
いちばん大切なことは
その子が社会に出て
一人で生きていけるようにすること。
まわりと同じペースで歩くことではありません。
まして大学に進学させることでもありません。
自分の生きる道を見つけ
自分の人生を歩んでいけるように
子供を信じて、待って、見守ってあげること。
子供が安心していられる場所(お家)があって
親が、人として正しく人生を生きていれば
子供はその姿から、学びとってくれる
そう思います。
昨日、今日と久しぶりの連休で
桜の花を見ながら
そんなことを考えていた休日でした。
春は始まりの季節ですが
うつむいて、立ち止まっていても
それは、悪いことでもないし
誰にも迷惑をかけていません。
今しばし、立ち止まっている
お子さんを育てていらっしゃる
お母様方
私みたいに、あたふたしないで
ド~ンとかまえていてあげてください。
あの時、息子に
「学校なんて行かなくたって、どうってことないわよ」
くらい言ってあげられればよかったな
と今は思っています。
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